ちょっと時間は経ってしまいましたが今年の夏の旅行で行ったアンコール遺跡群について簡単にアップしておきたいと思います。(おそっ!)
歴史、戦争、宗教、そこで日々暮らすひとのこと。
カンボジアという国について。そこから見える日本について。
いろいろと想うところがあってなかなか文章に出来ません。(そしてそれは、今も上手くまとまりません)
このままではエントリーせずに終わってしまうなと思い、巡った遺跡群を淡々とご紹介します。
今回、アンコール遺跡のあるシェムリアップでの滞在は二泊三日と短いものだったので、巡った遺跡は主に
・アンコールワット
・アンコールトム
・タプロム
・バンテアイ・スレイ
・ベンメリア
の五ヶ所です。
アンコール遺跡群には大小合わせると100近い遺跡があるともいわれているので、遺跡好きのヒトはもっと長い滞在をオススメします。1日券が20ドル、3日券が40ドル、7日券が60ドルです。
シェムリアップにはまだタクシーというものが存在しておらず遺跡群を巡るには旅行会社のツアーか、車をチャーターか、近場であればトゥクトゥクかバイク(二人乗り)で周るのが一般的のようです。
私たちは近場の遺跡は街中のトゥクトゥクと交渉、遠出は現地の旅行会社で車をチャーターしました。
世界最古の石造寺院遺跡ということで、そのスケール、その素朴な美しさ、神秘さに単純に心奪われますが、宗教戦争で首を吹き飛ばされた仏像や、海外への密売を目的に顔の表面だけ削り取られている女神像、経済的事情から修復ままならない建築物などを見ると、カンボジアが、今尚直面している問題が浮かびあがってくるように思います。
▼アンコールトム。頭上にそびえる無数のクメールの微笑みは神秘的で圧巻。とてもスケールが大きく、力強く、やさしい。今回見た中で一番インパクトのある好きな遺跡です。
▼世界遺産でもあるアンコールワット。緑のシートが邪魔でした!そして、ヒトが多かった。念願のアンコールワットの入り口までまもなくというところでカンボジア名物スコールにふられる。本当に文字通りバケツをひっくり返したような豪雨で、息もできないほど。全身濡れるも瞬く間に雨がやみ、乾いた。雲の切れ間から差込む光に浮かぶアンコールワットが幻想的でした。
▼タプロム。映画「トゥームレーダー」などの撮影でも使われている有名な遺跡のひとつ。寺院に侵食している大木はガジュマルの木。雨季と乾季を繰り返す南国の気候がガジュマルをここまでの大木に育てるんだそうです。観光地化していてヒトが多すぎるのが残念。アンコール遺跡ではないですが、樹海に埋もれていた遺跡を象徴するという意味ではこの後紹介するベンメリアの方がオススメです。
▼バンテアイ・スレイ。「東洋のモナリザ」といわれる女神像で有名な遺跡。フランスの作家アンドレ・マルローがその美しさに魅せられ、この女神像を持ち去ろうとしたことでも有名。アンコール遺跡に比べると石の色が赤く、彫刻も繊細。この浮き彫りの彫刻はアンコール芸術髄一の秀逸品といわれているそうです。
▼ベンメリア遺跡。ガイドブックにもほとんど載っていない、アンコール遺跡から1時間ほどの「東のアンコールワット」とよばれている遺跡。三つの回廊からなる作りはアンコールワットに確かに似ている。でもそのほとんどが崩れおち、原型をとどめていない。この遺跡を見ることで、アンコールワットがほぼ原型をとどめたままで現存することを改めてすごいと感じる。
木々や葉のざわめきと鳥と虫の声しか聞こえない。観光客も私たち以外は誰もいない。本当に静かで、この世のものではないような、夢の中にいるような、不思議な気持ちに囚われます。そして捨て去られ、忘れ去られていた遺跡の姿は神々しくも物哀しいのです。
▼中央祀堂だったところ。崩れた石の山をよじのぼる。
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