イラストレーターで料理家の小林ケンタロウ氏のブログを発見。
見入ってしまった。
う〜、美味しそう。
彼の文章も愉しい。
▼ケンタロウ の ロッキン クッキン
http://trc.cocolog-nifty.com/
料理ができる男のヒトっていいなあ、と昔から思っていた。
特に炒め物は力が重要で、男の料理だ。
ケンタロウ氏は料理家、小林カツ代の息子でもある。
こどもの頃の味の記憶っていうのは誰にでもあるし、だからこそ、とても重要なことだと最近特に思う。
今日は日中、昨日古本屋さんでたまたま見つけた料理家の有元葉子さんの『有元葉子のごはん上手』という本を読んでいた。
有元さんのお母さんも料理上手で、有元さん自身は家を出るまで特にお料理を母から習ったりした訳ではないが、台所に立つ母の姿を見て、つまみ食いをし、毎日母の作る料理をしっかり食べるということで、料理の基本を学んだと云っている。
有元さん自身は、三人の娘を育てながら、好きな料理に没頭していたら、料理家になってしまったという凄いひとだ。
今では、彼女の作る「日本の家庭料理」のレシピは海外でも人気だ。
私の母も、決して凝ったお料理を作る訳ではないけれども、いつも新鮮な旬の食材と、体に優しい調味料にこだわって、美味しいご飯を作ってくれていた。働いていたにも関わらず。
でも、ウチの母が特別に働き者だった訳でも料理上手だった訳でもなくて、私たちの世代の母親は皆、そうだったように思う。
父が台所に立つことはほとんどなかったが、私が中学生の頃、父が仕事でニュージーランドに単身赴任しているときに、家族でNZに遊びに行き、そこではじめてラムのステーキとミックスベジタブル(冷凍。笑)を炒めた料理をふるまってくれた。
「毎日これだよ。これしか作れない」と出してくれた。
父の手料理を食べたのはそれが最初で(おそらく)最後。美味しかったな。
父は料理はしないけれども、昔も今も食いしん坊で(決してグルメではなく、ただの食い意地の張ったおじさん。いや、もうおじいさんか。)珍しいお料理を食べによく連れていってくれた。
父がまだ若く、高校の英語の教師になったばかりの頃、英語の教科書に「パンにマーマレードを塗って食べる」という文章が出てきたことがあるという。当時の生徒たちから「先生、マーマレードってなんですか?」という質問が出た。「なんだ、お前ら、知らないのか?じゃあ、次の授業で持ってきてやる」と父。勿論、父もマーマレードが何かは知らない。慌てて、県内の大きなデパートをまわり、薄給で、まだ高価だった輸入物のマーマレードと食パンを大量に買い込み、授業で振る舞ったそうだ。「先生!こんなウマイもの食ったことない!」と生徒が喜んでくれて、それが、今でも父がマーマレードが好きな理由。
(これは美談でもなんでもなくて、教科書の例文に出てきたのが食べ物じゃなければ、父はここまでしなかったというのがこの話のポイントです。)
私もしっかりその食いしん坊の血を受け継いでいる。
具体的なお料理を教わったということではなく、「美味しいものを食べることの幸せ」を教えてくれた両親に感謝してる。
ちなみに、今の旦那の手料理で食べたことがあるのは「特製挽肉ヤキソバ」です。
どこらへんが特製なのかは全く分かりませんが、これが結構美味しい。
でも、「俺は結構料理が上手い」という割に、このヤキソバ以外食べさせてもらったことはありません。笑
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