ちょっと前に糸井重里さんの『インターネット的』を読んだ。
すごく面白かった。
ずっと、感想をここにメモしておこうと思っていたのに、なんだか忙しくてそのままにしていた。
いい機会なので、時間のある今、書いておきます。
日本のインターネットは90年代から商用化がはじまり、96年が一般的にインターネット元年といわれていますね。
この本は2001年に書かれたもので、90年代に黎明期から隆盛期を迎えたインターネットの世界を糸井さんなりに分析、解説している。当時、読んだひともきっと多いのではないかな。
今読んでも充分面白いのは、自分のインターネットとのこれまでの付き合い方や、インターネットによって変化した世の中を振り返ることができる点。これはすごく面白い経験だった。
私自身はIT音痴なのだけれど、縁あって長いこと、IT業界(にものすごく近いようで、似て非なる世界)で仕事をしていたこともあり、「うーん。答えはココにあったか!」と唸る部分もいくつもあった。
ま、結果論なんですけどね。
この本で特に印象に残って、読み終わった後も事あるごとに思い出しているのが、「消費のクリエイティブ」というくだり。
糸井さんは企業がいくらクリエイティブだ、なんだと云って悶々と考えていてもだめで、
消費者サイドがもっとクリエイティブにならないといい商品やサービスは生まれない、と云っている。
私もそう思う。
日本人は消費のクリエイティブが圧倒的に足りない気がするなあ。
身の回りの新商品や新店舗の回転の速さをみていると本当にそう思う。
消費者があまりにもクリエイティブではないので、提供する側の企業は迷走している感じ。
私たちはこれまでずっと与えられるばかりで、どんどん目や耳だけ肥えてしまって(それも企業が定めた軸を基準として)、自分で考えることを放棄してしまっていると思う。どんどん幼稚な消費者になっている。
でも、面白いのは、そういう傾向が強くなればなるほど、ものすごく小さな規模で、とてもクリエイティブな良質の商品や店舗が生まれている気がする。
私の興味のあるところで云うと、作家さんの作る器や、日本全国にむかしからある民藝品や、手間のかかっているコーヒー豆や茶葉、居心地のいい無名の料理屋さん。安くておいしいパン屋さん、小さいけれど丁寧に本を作る出版社。
そういったところを支えているのは、クリエイティブな消費だと思う。
最近、よく耳にする作り手の顔が見える農家とか、フェアトレードの製品なんかを支えていくのもクリエイティブな消費なんだろうな。
私はジャンクなものやチープなものにも惹かれるので(そして、こういったもの自体が決して悪いということではない)、そういうものにも引っ張られ揺れながらも、クリエイティブな消費者になりたいなと思う。
サイト運営し始めた者なんですが、相互リンクしていただきたくて、コメントさせていただきました。
http://hikaku-lin.com/link/register.html
こちらより、相互リンクしていただけると嬉しいです。
まだまだ、未熟なサイトですが、少しずつコンテンツを充実させていきたいと思ってます。
突然、失礼しました。
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投稿情報: hikaku | 2009-06-30 12:02