よしもとばななさんの『海のふた』を読む。
本棚に放置されていた一冊。本にも読み頃があるんです。
一時期、このひとの本は全く読めなくなっていたけれど、最近またハマっています。
なんとなくどの物語も基本的には同じようなことを云っているような気がするのですが
たぶんそれは間違いではなくて、このひと自身が確か初期の作品のあとがきの中で
「書きたいことはただひとつ。それをずっと書いてゆく」
というような意味のことを云っていたような気がします。
このひとの作品を読むと「ああ、本当に、書きたいことはただひとつなんだろうなあ」と、ちゃんと伝わってきます。
それって実はすごいことだと思う。
この『海のふた』はかき氷屋さんのオンナノコの物語。
故郷のこと。仕事をするということ。ヒトを信じるということ。生きていくということ。
そういう誰もが抱えている、面倒くさいけど大切な部分の核心がさらりと書かれています。
夏は毎年かき氷屋さんをやると云っていた、やきいも屋台のいもこちゃんに早速この本を薦めてみました。
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