最近、手紙を書いている。
幼馴染がちょっと深刻な病気になり療養生活を送っている。
欲しいものや、して欲しい事を聞いても「大丈夫!」「特にない~」という答え。
元々、お互いがサバサバとした性格なので、昔から女の子同士というよりは男同士の付き合い方に近かった。
だけど、以前のサバサバした感じというだけではなく、病気のせいで、投げやりになっている感じもした。
時間をもてあましているでだろう、遠く離れた大事な幼馴染(しかも、あまのじゃくな!)に何をしてあげられるかなと思い、私が読んで面白かった本を予告もなしに大量に送りつけたところ、びっくりする程喜んでくれた。(勿論、素直には喜びを表現していなかったけど)
そういえば、彼女は手紙が好きで、よく手紙やハガキを送ってきてくれたなあ、ということを思い出した。
そこには読んで面白かった本や、映画の事なんかも書かれていた。
学生時代、一人暮らしをはじめたばかりの私の部屋のポストに、彼女からの手紙を見つけるととっても嬉しかったことを思い出した。
頻繁に送られてくる手紙の内容は深刻なものではなく、いつもどーでもいい、でもなんだかちょっと洒落たことが書いてある手紙だった。(自分の部屋の前の窓枠に蓑虫が巣を作ったことなんかがイラスト入りで書かれていた)
旅行に行くと、その土地で拾った葉っぱや、彼女が暇に任せて作った意味の分からないコラージュが入っていたりして、いつも創意工夫溢れるあったかい手紙だった。
そしていつも最後には「今度、いつ帰ってくるん?」と書いてあった。
今度は私が手紙を書いて彼女を楽しませる番かな、とふと思った。
久しぶりに書く肉筆の手紙。
年賀状やお礼状以外では10年ぶりくらいの手紙。
漢字が思い浮かばない!
字が救いようのないほど汚い!
ああ、構成がめちゃめちゃだー!
パソコンで文章を書くほどには、スムーズに文章を作ることが出来ない。
時間もかかる。
でも、なんだか楽しい。
手紙を出した数日後、彼女から返事が来た。
よく見慣れた、懐かしい肉筆。
携帯のメールでのやりとりでは出てこなかった、病気への思いや、家族への感謝の気持ちが2割。
そして、いつものどーでもいい話が8割。
ちょっとジーンとして、笑って、泣けた。
私もまた返事を書く。
どーでもいい、日常の話。
お気に入りの便箋と封筒を選ぶ。
ちょっと変わった切手を貼る。
「はやく元気になれよー」と心で願いながら通勤途中のポストに入れる。
今の私に出来ることはそれくらい。
この時代にはちょっとたどたどしいコミュニケーション。
でも、手紙はいい。
(ちなみに彼女はパソコンは全くやらないので、このブログの存在も知らない)
最近のコメント