先ほど、輸入CD規制の問題について、「日本は面倒な問題を先送りにしがち」とエラソーな事を書きましたが、かくいう私も面倒なことや自分のあまりやりたくないことは「ま、いっか!」とついつい先のばしにして、楽な方へ楽な方へと流れる傾向が非常に強くあります。
小さい頃に、かの有名な『アリとキリギリス』という童話を読んで、「アリさんはえらいよねえ」と他人事のように感心し、親を仰天させたそうです。
(つまりこどもの頃から自分のことを「キリギリス」だとジカクしていて出た感想らしい。恐るべし!)
そんな私もいつしか大人になり「いかに将来のために今やりたくない事をてきぱきとこなすべきか」という問題意識を(一応)持つようになりました。
で、先日、『グズをなおせば人生はうまくいく』という本を読みました。
この手の「前向きな人生啓蒙本(?)」も普段、ほとんど読みません。
(この「この手の本は普段ほとんど読まない」というフレーズが最近多いのは、つまり最近いろんな種類の本を読むようになったという裏返しですね。いいことだ。)
話を元に戻します。
これはそんな問題意識を抱えている私が
「グズ」という言葉に惹かれたのと(愚図ですよ、愚図!イヤな言葉だよねえ・・・)、
表紙が可愛かったのと、
名前だけは知っていた著者の斎藤茂太氏(著名な精神科医)の本を一度読んでみたいと思っていたことから、
古本屋さんで見つけた際に購入してみました。
3時間くらいで読めちゃいましたが、私にはあまり、いや、ほとんど参考になりませんでした。
がっくし。
だって、あまり当てはまらないんだもん!
(私の場合、「グズ」ではなく「ぐうたら」なんだな)
ちなみにこれは私の個人的な感想なので、決して悪い本ではないと思います。
真面目で、慎重で、控えめで、気の優しい、でも、なんだかどうも自分の思う通りに生きられない、というヒトにはきっと役立つ本だと思います。
でも、私にとってもこの本の中で、なかなかぐっとくるフレーズがありました。
人づき合いの極意の章で、心理学の「ヤマアラシ・ジレンマ」という言葉が紹介されていたのですが、これは哲学者ショーベンハウエルの寓話からきた言葉で
「二匹のヤマアラシが寒いので体を寄せ合うが、鋭い針で突き合うことになるので、痛くて思わず体を離す。でも離れると寒いので、また体を寄せ合う。これを繰り返し、ついには針に刺されずに、しかも暖かさを保てる適当な距離を見つけ出す」
という意味なんだそうです。
まさに極意。
そもそも刺されることを怖がっていたら、いつまでたっても相手との距離は縮まりませんしね。
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