数日前に読んだ田口ランディさんの『ハーモニーのしあわせ』という本で佐藤初女さんが紹介されていた。
龍村仁監督による『地球交響曲(ガイアシンフォニー)第二番』で、世界的に有名なジャック・マイヨールやダライラマ14世と並んでスクリーンに登場していたので、知っているひとも多いかもしれない。
佐藤初女さんは青森県の山麓で「森のイスキア」を主宰している。
「森のイスキア」は心や体を病んだ悩めるひとたちを受け入れ、癒し、安らぎを与える場所。
私がこうやって書くとなんだか陳腐になってしまうけれど、初女さんのとにかく素晴らしいところは、食事を供にすることでイスキアに来るひとを救うことだ。
初女さんのお料理は、季節の食材に寄り添って、ゆっくりと丁寧に作られる。
人参もピーラーでガシガシとむくのではなく、包丁をそっとあててゆっくりゆっくり汚れを落とすように皮をとってあげる。
おむすびもお米をつぶさないようにやさしくやさしく握る。
どんな食材にもいのちがあると初女さんは云う。
初女さんのことはこれまでも何度か雑誌や書籍で紹介されているのを読んだりして、ずっと気になっていたのだけれど、今回、田口ランディさんの本で久しぶりに初女さんの記事を読んで、特にそのお料理の仕方に改めて感じ入っていたところに、昨日友人のminaちゃんから郵便で、初女さんの著書『おむすびの祈り「森のイスキア」』が不意打ちで届き、びっくりした!
いやー。
ホントにびっくりしたんだから!
なんというシンクロ。
minaちゃん、ありがと!
初女さんのおむすび。
昔はみんな、おばあちゃんに握って貰っていたんじゃないかな、と思う。
私も小さい頃の忘れられない味で、おばあちゃんが握ってくれたおむすびがある。
白いご飯に自家製の味噌がまぶされた味噌おむすび。
焼きおにぎりなんてシャレたやつじゃない。中身も何も入っていない。
縁側に従兄弟たちと並んで腰かけて、夕焼けを見ながら頬張ったあの味は今だに忘れられない。
自分で作ってもあの味にはならないんだよね。
親に怒られても友達と喧嘩しても、あのおむすびを食べれば「うん。なんか大丈夫だー」と自然に思えた。
初女さんのおむすびも、パクッとかぶりついて、口の中でお米がほどけると、心も一緒にほどけていくんだと思う。
どんな簡単な料理でも愛情のこもった料理にはそういう力が宿る。
私のおばあちゃんはもうとっくの昔に亡くなってしまったけれど、まだおばあちゃんが元気なひとは、是非おばあちゃんにおむすびを握ってもらって一緒に食べたらいいと思います。羨ましい!
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