遅ればせながら先日の薪能の感想。
屋外でお能を見るのははじめて。
今回は薪能ということで、神田明神の境内に巨大テントを設置し、かがり火の中での開催。
演目は前半が人間国宝の野村万作氏の狂言「痩松」。
後半が遠藤勝實氏の能「鉄輪」。
友人のkuroちゃんの言葉を借りると
「痩松」とはオマヌケな山賊のコメディで、
「鉄輪」は嫉妬に狂った女が鬼になるホラー。 (有名な丑の刻参りの話ね)
確かに、確かに。
前半の野村万作氏の舞台は、屋台をやっていたのでチラ見程度。
観に来ていた友人たちによると台詞なども比較的分かりやすく面白かったとのこと。
休憩時間に屋台も完売したので、後半のお能は後ろに立って見せて頂く。
うーん。幻想的で芸術的だけど全く分からないっ!拍手のタイミングもやっぱり分からないっ!
分からないけど、なにか神妙な気持ちになるし、題材の怖さはちゃんと伝わってくる。
江戸時代、江戸っ子に親しまれていたという神田能。
当時は本当に真っ暗な中、かがり火だけでこの舞台を見ていたら相当怖かったんじゃないかと思う。
演目によっては幻想的だったり、楽しかったり、庶民にとっての貴重な能楽だったんだろうなあとしみじみと感じ入る。
音楽(笛や太鼓の音)や合いの手(というのでしょうか)も不思議にココロに響くのは遺伝子が憶えているからなのでしょうか。
意味も分からないのにずっと見ていたい、聞いていたいと思いました。
私の知らないところで、こんな風に脈々と受け継がれているものはまだまだ沢山あるんだろうなあ、と思いました。
400年前の江戸っ子たちとの時空を超えた共有。興味のある方は是非一度観てみてください。
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