この週末の土日は会社の研修が私の地元の群馬であったので金曜の夜から群馬の実家へ。
研修へは土曜日の夕方からの参加だったので、昼間母親とふたりで伯母に付き合って美容院へ行く。
先日、伯母はガン治療のため、抗ガン剤投与の治療をはじめた。
抗ガン剤は副作用が強く、今月末に予定されている第2回目の投与の頃には、髪の毛が全部抜けてしまうという。
抜ける前に準備しておきたいという伯母の希望で、ウチの父親の同級生がやっている美容院にいき、ウィッグ(カツラ)をいろいろ試す。
鏡の中の伯母は、不自然なカツラをかぶせられるたびに見た事もないような困ったような顔を見せる。
その中で、やや明るめの栗色のウェーブのかかったウィッグが、びっくりする程自然で私はそれを一番に勧めた。派手な顔立ちの伯母に、そのウィッグは本当によく似合っていて、実年齢よりも随分若く見えてお洒落だ。
「これっきゃないよー!今は60過ぎても皆カラーリングで栗色にしてるひとなんて珍しくない。病気になって、こんなに若返るなんていいじゃない。伯父さんが怒ったら私が説得してあげるって!」
伯母もまんざらでもなさそうに鏡を眺めている。
「薬の影響で食欲なかったんだけど、なんだか食欲が湧いてきた。美味しいもの食べに行こう!」と伯母が提案し、帰りに3人でお寿司を食べた。
私の母親より7つ年上の伯母は、5人兄弟の中で一番口が悪く気が強い。新しもの好きで、行動的。
会うたびにいつも新しい事(舞踊、お琴、観劇、レザークラフト、フラワーアレンジメント、数え上げればキリがないけど、とりあえず一貫性はない)に夢中になっている。
姪っ子の中では私が一番性格が似ていると云われるんだけど、あんまり嬉しくない(というか、似てないって。)
以前、伯母の若い頃のモノクロの写真を見せてもらったことがある。
物心ついた頃から知っている伯母のイメージからは想像もつかないくらい、ほっそりとしていて美しく、今見てもモダンな感じのその姿に私たち姪っ子は「これ、一体誰?超美人!絶対別人だよー」ときゃーきゃーと大騒ぎして、伯母に怒られたことがある。
伯父(伯母の旦那さん)は、退職まで東京の大企業に勤めており、伯母はずっと専業主婦だった。
二人の息子も独立し、退職を機に地元の群馬に家を構え、畑を借り夫婦で自給自足の生活を楽しむ日々をここ10年近く送っている。
伯父の仕事がアジアを中心とする海外出張が多かったことから、年に一度は必ず夫婦で海外旅行を楽しんでいる。
今回、ガンを発見したのも、旅行先の中国で体調を崩し入院したことがきっかけだったという。
言葉の通じない旅行先での入院はかなり不安でつらいものだったらしい。
「もう海外なんて行きたくない?」
という質問に、伯母は笑って
「まだまだ行きたいところが沢山あるの。だから治療して治すんだよ。」と
笑顔で云った。
いろんなものを全部受け止めてくれるような、力強い笑顔だった。
こどもの頃には分からなかったけど、年を取った今でも伯母は美しいヒトなんだなと思った。
私の母親も子宮ガンで抗がん剤治療をしました
3回目の投与から髪の毛が一気に抜けて、やはりウィッグをつけましたよ!
今までセミロングヘアーだった母親がショート風のウィッグを選び、若々しくなったのを思い出しました
治療から約4年近くが過ぎますが、いまは再発の兆候もなく、なんとか元気にしています
よくわからないけど、病気の回復は、病院での治療ももちろんだけど、そこから先は回りの人間の思いやりと、本人がどれだけ治りたい!治したい!頑張りたい!と思えるか、だと思います
無理やりでも明るく前向きに病気と向き合うことが大事なのだと、そのとき思いました
変な言い方だけど、いかに病気を楽しむか!?みたいな・・・・
叔母様もきっと元気になるとおもいます!
一日も早い回復をお祈りしています・・
投稿情報: キカチャン | 2004-02-02 13:29
キカチャン。
コメント有難う。
本当にその通りだよね。
ジーンとしてしまいました。
投稿情報: okuizumi | 2004-02-03 03:14