仕事上でも付き合いのある友人のkuroちゃんが「さらりと読めるよ~」と職場に置いてってくれた本。
いやー、それにしてもすんごいタイトルですね。
確かにさらりと読めちゃったけど、内容は決してさらりとはしていません!(笑)
先が気になって読み進めてしまうということはあるんだけど、辛気くさいっていうのかな。
救いようのない内容で気分がどーんと落ち込むような小説でした。
人間の弱さみたいのが、これでもかってばかりに描かれてて、結末も救いようがない。
まあ、人生っていうのは、ホントにふとしたことから転落の一途を辿るという意味で、
今は、のほほーんとしている私だって、きっかけひとつでどうなるかなんて分からないよなあ、なんて考えたりはしましたが。
ところで。
タイトルに「嫌われ松子」とあるほどには、主人公の松子は嫌われモノではないという印象を持ちました。
というか・・・。
桐野夏生の『ダーク』の主人公、ミロの嫌われぶりは凄まじかった!
(前作までのミロシリーズでの「ツンとすました格好良さ」を豪快に破壊しているところもスゴイ)
このふたつの小説は、まるで運命のようにダークな世界に辿りつき、その世界で生き長らえる女性が主人公という点でとても似ている。(そしてどちらも自業自得、という意味でも似てる)
でも、ダークのミロの方が潔く現実を受け入れている。今を生きてる感じが気持ちいい。最悪の状況下(読んでて吐きそうになる程!)に何度も晒されるんだけど、力強く、希望があります。辛うじて。
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