もし僕らのことばがウィスキーであったなら、もちろん、これほど苦労することもなかったはずだ。僕は黙ってグラスを差し出し、あなたはそれを受け取って静かに喉に送り込む、それだけですんだはずだ。とてもシンプルで、とても親密で、とても正確だ。
ー「前書きのようなものとして」より抜粋
村上春樹らしい、クサい、けど、粋なタイトルのこの本 は、すごく好きな本のひとつ。
村上春樹を「好きだー!大好きだー!」と云ってはばからない男のヒトは決して好きではありませんが、この本は飲兵衛なヒトだったらきっと好きになると思う(笑)
小説・エッセイ・対談・ルポルタージュ・翻訳。
いろんな分野で評価されている村上春樹氏の作品の中で、個人的には紀行文が一番好きかもしれない。
この本は、スコットランドのアイラ島で名高いシングル・モルト・ウィスキーを賞味し、アイルランドで町や村をまわりながらアイリッシュ・ウィスキーを楽しむ。そんな2週間を綴った、ウィスキーの匂いのする小さな旅の本。
所々に散りばめられた、奥さんの村上陽子さんの撮った写真が、この本の醍醐味でもある。
村上春樹の紀行文で、もうひとつ好きな本。
『使いみちのない風景』
「移動するスピードに現実を追いつかせるな」、それが旅行者のモットーである。
旅行に出るたびに、必ず、この言葉がよぎる瞬間があります。
どうもです。たまにはコメントしろ、というので参上。
『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』
臭いなあ、臭すぎる。相手とコミュニケートするのにそんなに苦労してるのか。やっぱり繊細な方なんですね、この作家。中学生のときにこの人の小説(赤と緑の表紙だった)を読んで、気味が悪い、と思いました。「詩の心」を全く持たないものでね。笑っちゃうんですよ、なんだか。恋人にあれ買ってこい、これ買ってこい、と言われて言うなりになる男の印象が強くて、こいつは何なんだと思った覚えがあります。というか、中学生に理解できるわけないって話かもしれませんけどね。
シングルモルトのウィスキーは好きですよ。バーボン派が驚くほどおいしかった。でもやっぱりこの言葉が理解できません。またまた食わず嫌いで、いま読んだら別の感想があるのかもしれませんが。ちょっとこの本の画像、大きすぎやしませんか(笑)
投稿情報: sugi | 2003-11-09 22:27
>中学生のときにこの人の小説(赤と緑の表紙だった)を読んで、気味が悪い、と思いました。
笑う!(ちなみに「ノルウェーの森」ですね。)
まあ、中学生のオトコのコの感想としては至極まっとうな気がします。
それに、自分の思ってることをしゃべり倒す(爆!)ことができるヒトにはホント理解不能でしょう。
食わず嫌いってことはなく、たぶん今読んでもダメだと思いますよ。保証します(笑)
私はすごく好きなんですけどね。
なんだろー。
読んでて、たとえ意味が分かんなくても言葉の響きが気持ちいいんですよ。そういう作家は他にはいません。
投稿情報: okuizumi | 2003-11-10 00:57