『ボーリング・フォー・コロンバイン』を観ました。
私、全く知らなかったのですが、この映画。
あのデビッド・リンチが2002年のカンヌで、急遽「特別賞」を設けたという映画だそうですね。
46年ぶりのドキュメンタリー部門へのエントリーでもあったそうで。
監督のマイケル・ムーア氏は、80年代に起こったアメリカの大企業である「ゼネラル・モータース」の工場閉鎖をドキュメンタリーで追った『ロジャー&ミー』という映画で有名だとか。
「カメラ片手に突撃取材!」
そうか。
今はなき「電波少年」はこんなところからヒントを得ていた訳ですね。
この『ボーリング・フォー・コロンバイン』は、私でもまだ記憶に残るアメリカの「コロンバイン高校銃乱射事件」を軸に、アメリカの「銃社会」「銃規制」の実態に迫ろうとするドキュメンタリー映画。
アメリカの歴史や、隣国カナダとの比較などを織り交ぜながら、独特の皮肉とユーモアで、アメリカの抱える矛盾や問題を様々な角度から浮き彫りにしようと、ムーア氏が「カメラ片手に突撃取材」を試みます。
銃を乱射していた生徒が聴いていたというだけで、この事件の「真犯人」に仕立て上げられたアメリカのハードロック界の異端児(?)「マリリン・マンソン」へのインタビューは特に興味深かった。
「銃を乱射した生徒はマリリン・マンソンを聴いていた!」と、ある時期、メディアが一斉にマンソンを取り上げたのを憶えています。
音楽好きな人間であれば、あの時の報道程「陳腐」なものはない、と思ったハズ。
(いや、音楽好きじゃなくても思ったハズ。笑)
なぜコロンバイン事件は起こったのか?
撮るのも観るのも、ものすごいエネルギーを必要とする映画だと思います。
とても興味深い映画だとは思うけど、好きな映画ではない、というのが率直な感想です。
だって、スカッとしないんだもん。
ただ、「アメリカをここまで否定している映画を上映しちゃうアメリカ」ってやっぱりすごい、と思わせる映画ではあります。
↑「まあ疑われても仕方ないやね」と諦めもつくような、奇怪な風貌で語るマリリン・マンソン(写真 左)と、マリリン・マンソンのヒットアルバム「メカニカル・アニマル」(写真右)
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