国際列車インターシティ(IC)のベネルスクトレインで、オランダのアムステルダムからベルギーのブリュッセルまでは約2時間半。
EU内での移動なのでパスポートコントロールなどはなし。
電車で移動出来るって改めて凄い!!!
つまり、誰でも簡単に乗り降り出来てしまうということでもあるので、SEVENからは「IC内ではスリ注意で!!!」と念を押される。
スーツケースもすいているようなら座席の近くに置いておいた方がいいとアドバイスを受ける。
このアムス発ブリュッセル着のICに乗っている東洋人を狙ったスリや強奪がとにかく多いそうだ。
(SEVENは大使館にも勤めていたことがあるので、夜な夜なその被害報告を受けていたらしい)
日本にだってスリや置き引き、老人を狙ったオレオレ詐欺なんていう卑劣な犯罪もはびこっているけれど、でもやっぱり日本は安全だなあと思わずにはいられない独特のピリピリ感を感じる。
そんな訳でちょっと気を引き締めつつブリュッセルに向かう。(でも、片手にはしっかりビール)
終着のブリュッセルMIDI駅(GARE DU MIDI / Zuidstation)に着いて、ようやくSEVENと感動のご対面!
ホームで待つSEVENを見つけ、思わず抱き合って喜ぶ。
いやー、ようやくやってきましたよ。ベルギー!
MIDI駅でベンチに座ってトラムを待っていると、頭上から数枚の切符がパラパラと降ってきた!
振り向こうとしたらSEVENから「振り向いちゃだめ~。スリだよ~」と云われる。
うーん。早速の洗礼。
ベルギーのみならず、地続きのヨーロッパではどこの国も多かれ少なかれ移民、宗教対立、失業といった社会問題を抱えているのを感じずにはいられなかった。
(でも、それらを差し引いてもあまりある、長い歴史的遺産や文化など、魅力的な面が沢山ある)
▼ベルギーの公用語はオランダ語とフランス語。北部がオランダ語圏、南部がフランス語圏とほぼ二分されていて、この二者の間で言語戦争が長いこと続き、結果、ベルギーはあんなにも小さな国なのに、複雑な統治体制の連邦制になった。1993年のことだそうだ。
ブリュッセルはちょうど真ん中に位置するので、標識やアナウンスなどはフランス語とオランダ語の二カ国語が義務付けられている。
▼到着した翌日。ゆっくり起きて、のんびりブリュッセル市内を散策。まずは観光客で賑わうグラン・プラス。ブリュッセルの中心にある大広場。壮大すぎて一枚の写真には収まりません。世界遺産。
▼グラン・プラスからすぐ。「世界三大ガッカリ」と呼び声高い小便小僧。季節に合わせていろんな衣装に着替えるそうです。キュート!
▼あまり知られてないけど小便少女ってのもいます。細い路地の突き当たりにひっそりといます。鍵付きの牢獄みたいなところで、なんだか怖いんですけど。笑
▼街中はチョコレート屋さんがいっぱい!チョコレートジャンキーにはたまらないんでしょうね。(残念ながら、私たちはベルギービール派だったもので、チョコレートのレポートはほとんどありません。悪しからず~。)
▼ベルギーといえば、Tin Tinも有名ですね。街中のビルの壁にもTin Tinがいました。
▼この旅では美術館にも沢山行きましたが、その中でも一番好きだったのがこのマグリット美術館です。(時間があれば、もう一度行きたかった!)
ベルギー王立美術館で所蔵、展示されていたものを中心に、今年の夏にオープンしたばかりの美術館。ブリュッセルに行くことがあればここは絶対に寄るべし。
▼マグリット美術館脇の広場から望むブリュッセル市内。とにかく空が広い。
▼オマケの話。
SEVENの忠告に従い、スリ対策としてスーツケースを座席にねじこんで座っていた私たち。(ガラガラだったから)
途中駅でにわかに沢山のひとが乗ってきた。さて、このスーツケースをどこに移動させようかと思っていると、体のおっきなダンディがやってきて「これはキミたちの荷物かい?」と笑顔でひょいっと網棚の上に私のスーツケースをあげて、ご婦人に「どうぞ」と席をすすめている。(モリのスーツケースは大きすぎて網棚の上に乗らず、難を逃れた)
Oh!ダンディ。
素敵だけれど。
ダンディはどこまでこの列車に乗っていくのかな~?
誰がこの重いスーツケースを降ろしてくれるのかいな~?
という、私たちの心配顔に気付いたのか「キミたちはどこまで乗っていくのか?」と、ダンディ。
「終点のブリュッセル・MIDI駅まで」と答えると「わおー!遠いねー!」と苦笑い。
車内に向かって「誰か、ブリュッセルまで乗っていくひとがいたら、彼女の荷物を降ろしてやってくれ」と乗客に叫んでくれた。
そして、数駅先でとっとと降りていった。
小心者でシャイなニッポン人な私たち。
「わー。まじで!?これ、どうしようね。降ろせるかね。」と、頭上のスーツケースが気になって仕方ない。
終点間際、とりあえず荷物を降ろそうとするパフォーマンスをとったところ、斜め後ろに座っていたナイスガイが「しゃーねーなー」とばかりに降ろしてくれた。決して愛想がいい訳ではないけれど、皆、困っているひとに普通に優しいと思う。この後も、何度も何度もそういう普通の優しさに助けて貰った。それはきっと当たり前のことなんだと思う。今回の旅で一番感じたのはそういう事だ。
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