田口ランディさんの『被爆のマリア』を読む。
広島の原爆を題材にした短編4作からなる現代小説。
原爆のことを小説に書くということは、きっととても勇気がいることだと思う。
戦争や原爆については思想的にもいろいろな考えの人がいるだろうから、この小説も万人受けするものではないだろう。
でも、戦争を知らない私のような世代は、戦争や原爆のことを普段の生活の中で考えるきっかけにはなると思う。
私は欧州に行って「日本人は働きすぎだなあ」と、事あるごとにしみじみと思って哀しくなったし、今もそう思っているけれど、日本は60年前に原爆を落とされた唯一の国だったことを忘れていた。
たった60年しか経っていないのに。
体だけではなくて心も全て破壊された小さな国が再生するにはどれだけのパワーが必要だったんだろう。
そういうものの上に、今のこの安穏とした生活があるんだということを、出来るだけ忘れないように暮らしたいと思った。
一話目の「永遠の火」がとても良かった。
親元を離れて生活しているひとに特に読んで欲しい。
広島にはまだ一度も行ったことがないので、今度行ってみようと思います。
私の父は広島の原爆のきのこぐもをみたそうです。
そのあと、広島の原爆の場所に行ったそうです。
長い間、まったくその話は聞きませんでしたが、最近になって、その時の話を小中学校に頼まれて話に行っています。
戦争は絶対してはいけないと話してるようです。
その時の話をすると涙を流す子供も多くいるそうです。
阪神大震災の時にテレビを見ていて、ひどいねと私が言うと、いまは救援物資が届くからまだいいと言いました。
広島のあの時は、今のように情報が全国に届いてなかったから、救援物資などこなかったと。
私は、戦争の話は聞きたくなくて、避けてきました。
それではいけなかったのかもしれませんが、父も私が大人になるまでなにも話さなかったのはそういう醜いことを知らせたくなかったのかもしれないと思っています。
ちょと暗い話でごめんなさい。
投稿情報: まー子 | 2009-11-26 00:07
まー子さん
いえいえ。全然暗い話なんかではないです。
貴重なお話です。
有難うございます。
本当にそういうことなんでしょうね。
自分のこどもにはそんな醜いことを聞かせたくないし、体験も絶対にさせたくないと、お父様の世代はずっと頑張ってこられたんでしょうね。
友人のおばあさまもやはり戦争体験について定期的に語っているそうです。
私もなんとなく聞きたくないという気持ちがどこかにあったような気がしますが、今度機会があれば聞いてみたいと思います。
投稿情報: おっくぼ | 2009-11-27 23:13