「積読」って知ってますか?
文字通り、買った本を読まずに積んでおくこと。
読書が娯楽の中心だった明治時代に普及した言葉らしい。
アメリカで日本文学を研究している私の叔父(ちょっと風変わり!)は「本屋さんで本と目があったら買う」と云っていた。
私はそれを名言だと思う。「本と目が合う」その感覚、とってもよく分かる。
内容も分からないのに一目見て「欲しい!読みたい!」と思う本。
叔父曰く、目が合った本は今すぐには読まなくても、いずれ必要になる本なんだそうだ。
だから目が合ったら手元に置いておかなくてはいけない、と。
今でこそamazonがこれだけ普及しているけれど、確かに一昔前は書店で見かけた本を数年後に購入しようと思うとよっぽどのベストセラーでないかぎり難しいし面倒くさかった。
前置きが長くなってしまったけれど、昨日から読み始めたパトリス・ジュリアンの『いんげん豆がおしえてくれたこと』は、そんな私の積読本の一冊。昨日、「そういえば、、、」とふと本棚からひっぱりだして読み始めたらこれがものすごく面白い。
10年ほど前に出版されたもので、当時は表紙とタイトルにひかれ(また、中の紙がざら紙と黄色紙で交互に構成されていて洒落ていた)購入。私自身まだ料理には興味がなかった頃なのでパトリス・ジュリアンが料理家(厳密にいうとライフスタイルデザイナー?)であるという意識は全くなかった。そうして、読もう読もうと思いつつそのまま本棚へ。
最近料理をするようになってパトリス・ジュリアンのレシピ本を本屋さんで何の気なしに購入。
洒落た作りの写真も美しい本なので実際にレシピを参考にするというよりは眺めて楽しむという感じだった。
昨日これらのレシピ本をパラパラと眺めていたときに「もしかして、エッセイ本を持っているかも、、、」とピンときて本棚を捜したのだけれど、まさか10年前に彼のエッセイを買っているとはね。なかなか面白い驚きでした。
10年前に読んでいたらそれはそれで後々の生活に影響を与えるべく私の中に残ったと思うけれど、今ほど共感できなかったのは間違いない。「普段の生活を大切にする」という感覚はお恥ずかしながら最近ようやく分かってきたところ。日本でもLOHASだ、スローフードだ、昭和だ、古民家だ、といろいろなムーブメントが起こっているけれど、10年前に出たこの本にはそのあたりのことも全部ちゃんと書かれていて、今読んでも充分参考になる。
大切なのはもてなすことを楽しむこと、誰かに喜んでもらおうという自分自身の喜びの気持ちだ。
けれどもこうしたおもてなし上手になるには、普段からの心掛けが必要になってくる。つまり、本当のおもてなしとは、自分の中から始まっているということ。もし僕が毎日の生活の中で、自分自身のことを大切なお客様のように思うことができていれば、僕は何の準備もなく、他の人間を自分の生活の中に迎え入れることができるはず。
ということで、今からまた続きを読みます。
▼そんな訳で、昨日の夕飯はパトリス・ジュリアン氏のレシピからクスクスのサラダ。その他に、蕪と海老の熱々グラタン、豚肉と葱のパスタ、バゲット。先日購入した土岐の大鉢に早速パスタを盛ってみた!いい感じ♪
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