昨日、作家の鷺沢萠(さぎさわ・めぐむ)さんが亡くなったというニュースが流れた。
まだ35歳だった。
同世代。
18歳で文学界新人賞を受賞した彼女の作品を、私も大学時代によく読んだ。
当時最年少受賞ということでだいぶ話題になっていたが、18歳だから、若い感性があったから書けた、という作品では決してなかった。
受賞作品の『川べりの道』を読んだときに「才能のあるひとだ」と思ったのを憶えている。
その後も、小説では落ち着いた洞察力としっかりとした文章力で揺るぎない実力を見せ、エッセイではお茶目で豪快な姿を覗かせていた。
住む世界は違っても、等身大の同級生のように一緒に歳を重ねているようで、作品を通して共感を持つことも多かった。
亡くなった原因は自殺。
私が持つ彼女のイメージはあくまでも文章というフィルターを通してのものだけれども、信じられない、というのが正直な感想だ。
でも、そのひとが自ら死を選んでしまう理由なんて、本人以外誰にも分かるはずがない。
本人にさえも分からないのかもしれない。
だけど。
だけど、やっぱり残念なことだ。
作家鷺沢萠のいちファンとして、同世代の女性として、そう思います。
『帰れぬ人びと』 鷺沢萠
尾崎豊とか、Xのhideが亡くなったとき、最近だといかりや長さんの時も同じ感覚を味わった人がいるのでしょうね。
原田宗典も時々内にこもってしまうタイプだと小耳に挟んだことがありますが、彼女の場合もそうだったのかも、と訃報を耳にしたとき思いました。
ご冥福を祈っています。
投稿情報: SW | 2004-04-16 12:55
そうですね。
某CMではないですが、ヒトって「閉じてるとき」と「開いているとき」があると思いますが、こういう職業のひとたちはその差が大きいんだろうなあと思うことはあります。
投稿情報: okuizumi | 2004-04-18 02:07