■小さな花屋のはなし。

今の家に引っ越す前。
家の近くに小さな花屋があった。
腰のまがったおじいちゃんがやっていた。
飾り気のない古い民家のようなその花屋は、10畳ほどのコンクリートの床に、いろんな種類の切り花をどさっと青いバケツに入れて並べて売っていた。花屋というより、小さな小さな市場のようだった。
ラッピングなんて勿論やってない。
私は気が向くとよくお店を覗いては「今日のオススメはなんですか〜？」とおじいちゃんに声をかけて、名前も知らなかったかわいらしい花を沢山教えてもらった。

「もう、これは売れないから。でも、短く切れば2〜3日はもつよ」といつも元気のなくなった花をオマケしてくれた。
ガーベラを10本とか。小さな向日葵とか。

先日、そのお店の前を自転車で通ったら「都合により閉店」の張り紙がされていた。
「28年間、有難うございました」とも。
いつかはそうなるだろうなあ、とぼんやりと思っていたけれど。
「仏壇用の花しか売れないねえ」とおじいちゃんはよく云っていた。

コンビニでなんとはなしにガムや飴を買うように。
酒屋でふらりとビールやワインを買うように。
お花屋さんで花を買いたい、と思う。
そんなお花屋さんが近所にあればいいのに、と思う。

▼白いカラー。大好きな花です。
むかしは好きな花を聞かれてもピンとこなくて適当に答えていたけれども、今はちゃんと答えられる。
年を重ねるごとに自分の好きなものたちが明確になって、段々と増えていくのは素敵なことだと思う。

Comments

[投稿情報: かおた。]

白いカラーってまさにねえさんのイメージですな！（なんてねー）

私も好きな花です。

ふらりと寄れるお花屋さん。
私も欲しいな。

[投稿情報: 川並 純]

お久しぶりです　なかむらの川並です
いつも美味しそうな写真楽しみにしています

お花のある暮らしは良いものですね
僕は椿が好きです

[投稿情報: okuizumi]

かおたー。

久しぶり〜。
引越先は落ち着いた頃でしょうか？

会いたいな〜。

お花を持って訪問します。

[投稿情報: okuizumi]

川並さん。

お久しぶりです。

椿！！！
いいですね。いいですね。
今の季節にぴったりだし。
実家の庭には椿の木は毎年花を咲かせています。

和ですね〜。
さすが、店長！